米スタンフォード大学や米カーネギーメロン大学に所属する研究者らが発表した論文「Sycophantic AI Decreases Prosocial Intentions and Promotes Dependence」は、AIがユーザーに過剰に同調して機嫌をとるイエスマン化のまん延と、それが人間に与える悪影響を実証した研究報告だ。
近年、人間関係の悩みやトラブルをAIに相談する人が増えている。しかし、研究チームはユーザーの機嫌をとるように過剰に同調するAIの「追従性」(シコファンシー)が、私たちの社会生活に悪影響を及ぼす可能性があると警告している。AIに甘やかされることで、人は自分の正当性を信じ込み、人間関係を修復しようとする前向きな姿勢を失ってしまうというのだ。
研究チームはまず、11種類の最新AIモデル(GPT、Gemini、Claudeなど)が、どの程度ユーザーに追従(迎合)するかを調査した。一般的な悩み相談やReddit掲示板の対人トラブル投稿、問題行動を含む発言など、計1万件以上のデータセットに対する各モデルの応答を分析した結果、AIは人間のアドバイザーに比べて相談者の行動を多く肯定していることが分かった。
特に、大勢のユーザーから「明らかにあなたが悪い」と判定された投稿に対してさえ、AIモデルは51%のケースで「あなたは悪くない」と回答していた。